作品展に来場したお客さんの感想は?

coco de class株式会社さんが、作品展で実施されたアンケートを集計しました。

作品展:「旅するアーティフィシャルフラワー作品展 小さな花美術館安曇野の旅」

作品に関する参加者の方々の感想が、選択式回答の他に、自由記述として収集されています。 結果としては、

  • 6種類の回答傾向が抽出され、それぞれ”ブルー”、”グリーン”、”ピンク”、”淡い・ナチュラル”、”色合い”、”素敵”をキーワードとするものが得られました。
  • 圧倒的に、色の要素に反応された方が多いことがわかります。
  • “ピンク”と抽象的な表現(”淡い・ナチュラル”、”色合い”、”素敵”)は比較的近い関係にあることがわかります。
  • 一方、”ブルー”、”グリーン”は(色以外の具体的な表現と結び付けられているせいか)、はっきりとした傾向として見えます。

coco de classさんのHPでは、ここでの集計結果の他に、選択式アンケートの集計結果1も掲載されています。

結果の可視化

Alluvial diagram2によって、分類の数を増やしていったときの階層構造が見てとれます。

(横軸:分類数 縦軸:一つの束が、”同じ傾向”と判定された回答集合を示す)

alluvialdiagram_cocodeclass2017

実施・解析手法

  • Data collection:投票クラスタリング (ext_v0.2)
  • Framework:Labeled stochastic blockmodelによるベイズ推論
  • Algorithm: EM algorithm + Belief Propagation + Cross-validation

このアンケートは、もともと紙ベースで行われました。 回答数はちょうど200。 これくらいならば、一人の集計者が、なんとなく回答を読んで傾向を判断することもできるわけですが、 それだとその人の主観・先入観によるバイアスが大きく作用する危険性があります。 主に、複数の(今回は6人)の集計者の“平均を出す”ために、投票クラスタリングの方法を実施しました。

このアプローチは、集計者がたくさんいて、かつ一人一人がすべての回答を読み尽くすことが到底不可能な場合に、 真に有用性を発揮すると考えています。


  1. 選択式アンケートの部分は、山下和也氏(産総研)による、別のフレームワークでの集計です。 

  2. Sankey diagramに色の濃さの自由度を加えたものです。色の濃い部分が、はっきりと傾向を持っている(その回答の分類に関する周辺事後確率が、特定の分類にピークを持っている)と判定された回答群です。