BonSciでは、主に投票クラスタリング (voteclustering) と呼んでいるフレームワークを用いた記述式アンケートとその集計を行います。

一般によく実施されるアンケートは、あらかじめ用意された回答候補から回答者が同意するものにチェックを入れていく、選択式アンケートです。(賛成・反対・どちらでもない、など) しかし、このタイプのアンケートには限界があります。

ある質問に対して、意見Aか意見Bかを答える選択肢があったとしましょう。 しかし、もし意見Cや意見Dを持っている回答者がたくさんいたらどうでしょう? この調査には意味があるでしょうか。 記述式アンケートの場合は、回答者が自身の回答を書き込むため、このような問題はありません。

どんな回答が出てくるか予想が難しい質問を選択式アンケートで実施する場合、アンケート作成者の知識とセンスが非常に試されます。 冗長な回答を避け、かつ意見の違いが鮮明に見えてくるように十分なバラエティの回答を、多すぎない数だけ、用意する必要があります。 しかし、記述式ではそのような労力は不要なのです。

ではなぜ日常的に記述式をやらないのでしょうか。 記述式アンケートの欠点のほうが大きいからです。

  1. そもそも回答を書き込むのは面倒くさい。(よって回答が集まりにくい。)
  2. 文章回答が大量に集められたとしても、集計が難しい。

どちらも悩ましい話です。1.については、(別に全員に記述回答してもらわなくても自由記述式のメリットは活かせるので)インセンティブの低い人たちが、楽に答えられる工夫をします。 2.についてはどうでしょう。 数十件程度なら、一人の集計者がそれらをすべて読み、なんとなく傾向を要約することができるでしょう。 しかし、もし10万件の回答が得られてしまったらどうでしょうか。 もし回答傾向が一目瞭然ではなかったら、その集計者による要約はどれくら信頼できるでしょうか。

我々のアンケートは、これらをなんとかする1、ちょっとだけ新しいアンケートです。


  1. 自然言語処理はしません。